「埋もれた島根の宝」カルシュ博士

昨年末に公式ホームページを開設して以来、県人会の情報の他にふるさと島根にまつわる情報を発信して参りましたが、今回は縁あって東京医科歯科大学名誉教授の若松秀俊様から“「埋もれた島根の宝」ドイツ人のカルシュ博士”についてご紹介いただきましたので皆様にお知らせいたします。

「カルシュ博士って誰だろう?」読者の多くの方がそのように思われると思いますが、同博士は大正末期から昭和の初めにかけて14年間、旧制松江高校(現 島根大学)で教鞭をとられその教え子には、「長崎の鐘」の著者として有名な永井 隆博士(元長崎医科大学教授)を始め多くの著名人がいらっしゃいます。

カルシュ博士は学校では教師として講義をするだけではなく、日頃から教師と生徒の枠を超えた交流をされ、その人間味あふれる魅力的な人柄や行動は教え子はもとより、博士とその家族と交流のあった松江の人々の心を掴みとても慕われました。そしてそれが終生日本を思い、愛し続けたカルシュ博士とその家族の大きな力になったと思います。このことは島根をふるさととする私達の誇りでも有り、その心根は脈々と現在にも引き継がれていると思います。

また、博士は山陰をはじめ訪れた日本各地の自然に親しみ、数多くの写真や絵画(パステル画、水彩画)を多く残されました。それは往時の自然や文化、生活を偲ぶ「こころのふるさと」として紹介されています。このようにカルシュ博士は多くの業績を残されましたが、その偉業は戦争による歴史の狭間に埋もれてしまい、人々に知られること無く時は流れました。
 ここで、そのカルシュ博士の偉業を多くの人々に知ってもらいたいという思いで長年にわたって調査、研究され、カルシュ博士顕彰にご尽力されてきた若松先生について紹介いたします。

先生は偶然の機会から島根の人々にはあまり馴染のない、しかし「埋もれた島根の宝」のドイツ人カルシュ博士について、20年を超えて調査してこられ、当県人会へもこれまでの事情を知ってもらいたいと、情報をお寄せくださいました。その発端は19999月にシュトゥットガルトでかつて旧制松江高校(現-島根大学)で教鞭を取っていた博士の次女(現在84)との運命的な出会いからで、その後先生は調査の傍ら、2012年以来松江観光大使を務めてこられました。 同博士については、先生の高著や以下のファイルに紹介されています。またWikipediaにも紹介されていますのであわせてご覧下さい。

なお、22年かけて先生が集められ、分別整理・修正を施された約1500枚の写真の展示を関連する日本各地で考えておられます、

にわか仕込みの筆者がカルシュ博士や若松先生についてあれこれ記述するのはここまでとしますので、詳細については添付の資料「歴史の狭間に埋もれた偉人」と下記のURLにアクセスしご覧いただきければと思います。ちなみに、「カルシュ博士の顕彰を支えた人々」の中に、筆者の学生時代の恩師の名前を目にして驚くと共に浅からぬご縁を感じたところです。

最後になりましたが、この記事を通じて一人でも多くの皆様にカルシュ博士の偉業と島根とのかかわりについて知っていただければ幸いに存じます。

                           (事務局長 湯淺 勉)

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大正末期から昭和前期の日本の原風景の写真 https://karschpicture.web.fc2.com/

歴史の狭間に埋もれた偉人・カルシュ博士 https://mechtild.web.fc2.com/

カルシュ博士の顕彰を支えた人々 https://friederun.web.fc2.com/

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歴史の狭間に埋もれた偉人20210909.pdf
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